観劇による現実逃避

昔から演劇を見るのは好きで、大学ではそういうことが学べる学校へ行った。
華やかな劇団というよりは、どちらかというと小劇場系のお芝居が好きなのだ。
現在とあるドラマの影響で、その劇団の公演チケットがなかなか手に入らない状況に陥っているが、人気が出たことはファンとしては喜ばしいことである。

学生時代は都内に住んでいて、観劇にも足が運びやすかったが、今は地方に住んでいるためそう簡単には行くことができなくなってしまった。
それでも2ヶ月に1度は観劇に出かける。
理由としては、ナマで行われる舞台を間近で見ることで、気持ちが高揚し、ストレスの発散にもなるからである。
あの感情は舞台でしか味わえない。
もちろんテレビドラマや映画の演技がどうこうということはないのだが、単純に私は舞台演劇が大好きなのだ。
役者さんの演技はもちろん、小道具から照明の具合まで見るところが多い。
1度見ただけではすべてを理解することは難しいのかもしれない。
また、ブランド的になってしまった劇団のも好きだけれど、特別講演のような演出家主導でキャストが集められれる舞台もまた面白い。
ひいきの演出家の舞台のフライヤーで、「あの人が出る」「この人が出る」などというのも楽しみの一つだ。
ドラマなどに舞台役者さんが出ると、たいていは脇役というイメージだ。
世間一般の人から見てもそういう印象だろう。
けれど、舞台となると彼らが主役なのだ。
脇で妙なおっさんをやっていた人が、舞台で真ん中に立って歌って踊っている。
このギャップを楽しむのも舞台観劇の面白さの一つではないだろうか。

演劇

今年の夏に生まれて始めて劇場での演劇を見た。
確か紀伊国屋ホールだったと思うのだが、藤原達也などの出演のものだった。

急に誘われたため詳しいことは覚えていない。

開演してまもなく、劇場の臨場感に圧倒され引き込まれるように観た。
その圧倒適度迫力は、テレビ画面を通じてはついぞ味わうことができないものだった。

今までこういう機会に恵まれなかったことが、人生においてかなりの損失であるということは容易に想像できた。
これを機会に、劇場で公演される映画をこまめにチェックしてみようと思っている。

いまはただ、早くあの一体感を味わいたくてウズウズしている。

次に関心を抱いたのは歌舞伎や能だ。
伝統芸能とは、一言では言い表せない何かがあるのかなとも思い、また、人生のうちで一度は歌舞伎というものに触れても損はないだろうという、誠に不純な動機ではある。

お目にかかりたいお題目は「弁慶」の出てくる「勧進帳」だ。
誰が一級品なのか皆目見当も付かないが、主だった演者を検索して、自分なりに結論付けしてしまおうと思っている。

こういう時はレビューが参考になるかと思うのであるが、最近のステマ騒動のために、若干の疑惑を抱いている。

結局のところ、ビジネスがどこかで絡んでいる限りは、自分の目で見てみることが一番の得なのかもしれない。
それから付加情報などが自然と耳に入ってくるものなのだろう。