大嫌いだった写真が趣味になった

高校生の頃まで、私は写真を撮られるのが大嫌いだった。
プリクラも誘われない限り撮らなかったし、修学旅行などでも人の写真を撮ってばかりいて、修学旅行に同行しているカメラマンにカメラを向けられると、ことごとく逃げていた。

写真を見ることは好きだったが、風景写真や建築物、動物の写真に限定した。
人が写っているものは好きではなかったし、写っていたとしても逆光で黒いシルエットとしてのみ写っているものが良かった。
それが、自分でもどういったきっかけだったか覚えていないが、大学生になると写真が趣味になっていた。
正確に言えば、作品づくりとしての写真を、被写体として関わることが趣味になっていた。
そう、高校時代までは大嫌いだった「撮られること」が趣味になっていたわけである。
もともと絵や舞台芸術が好きだった私は、今度は写真にも興味を持つようになったのだ。
あれだけ嫌いだった人物写真を見ても、美しいと思うようになった。
アートとしての写真を撮るために離島まで行ったこともあるし、明治や大正時代に作られた着物を着てストーリーを考えた写真を撮ることもあった。
他のモデルさんと2人で被写体になることもあった。
どの撮影も楽しく、できあがった写真を見ることが嬉しかった。
意外な写真が撮れているのもまたおもしろかった。
現在、出産し、育児と家事、パートに追われる毎日で、当時のような趣味を持つことはできない。
それ故、当時付き合いのあったカメラマンさんやモデルさんのHPやブログなどにアップされている写真を見て楽しんでいる。
しかし、もう少し落ち着いたら、今度はカメラマンとして趣味の活動を再開したいと思っている。
その日がとても待ち遠しい。