久々に実家に帰ってさあ寝るといった時間、私は衝撃を受けました。
なんと、布団が重くて眠れないのです。
私が帰って来るという事で、母が寝具一式を干して用意してくれていました。
これは、私が実家にいる時に毎日使っていた見覚えのあるものです。
確かにふんわりとしていて、お日様の匂いもしています。
ところが、布団をかぶるとどうしても苦しくなってくるのです。
原因はすぐに分かりました。
結婚して毎日羽毛布団で寝ている私にとって、そうではない昔ながらの布団は重く感じられてしまったのです。
もちろん、昔はこの布団が大好きで良い夢も見られていました。
慣れとは、全く恐ろしいものです。
快適な生活を一度覚えてしまったら、それよりも下のレベルには戻れないものなのでしょうか。
様々な技術がどんどん進歩しています。
食品も機械もITも、全部の分野で前に前にと進んでいます。
そこには、多くの人の努力や知恵がたくさんつぎ込まれているのでしょう。
布団も同じです。
如何に気持ち良く負担を感じずに眠ることができるのか、色んな人の努力によって開発された製品がたくさんあります。
今私が使っている布団も、軽くて温かくて丈夫。
しかも、価格もそれほど高くはなかったと記憶しています。
このように、良い物が次々登場しているのです。
実家で用意されたあの布団は、もしかしたらもう日の目を見ることはないかもしれません。
母も何となく、それに気が付いているようでした。
私はもちろん何も言いませんでしたが、朝まで何度も寝返りを打っている娘の姿を見ていれば、やはり気が付いてしまうことでしょう。
金縛り
実家にいるとき、よく金縛りにあっていた。
その話をすると、何かに憑かれているのか心配されるが、私は金縛りが心霊現象ではないことを知っているので全く怖くない。
ただただ、痛いのだ。よく遭っていたときは毎日のように深夜身体が固まっていた。
ぼんやり頭のなかで、金縛りだと実感し、目を開けてはならないと思いながら布団に潜る。
潜るときに身体が上手に動かないものだから、ゆっくりゆっくり無理な体勢で布団に潜ろうとする。
その無理な姿勢のまま再び眠りにつくことが多いため、朝になると全身カチコチだ。
寝違えたような凝りが全身に広がっている。
そういえば昨日また金縛りにあったんだと話すと母親は、年頃の娘にはよくあること、の一言で済ます。
母も田舎で実家暮らしをしているときによく自室で金縛りにあっていたそうだ。
引越をしてから、そういえば遭わなくなった。
心霊現象ではないとはいえ、アレは一体なんだったのだろうか。
疲れすぎると、そのような体験もあると言うが、真相はわからない。
ただ、目が覚めて身動きが出来ないは、気持ちの良いものではないのが、共通した感情なのではないだろうか。
好き好む人間はいまい。
声も出ないとも言われるが、これほどの恐怖は寝床で感じたくないものである。
寝不足で余計に疲れるだろう。