ついにきた。
私のところにもその波が。
近頃巷を騒がしている、某SNSのっとり事件である。
その某SNSとは、メールアドレスやら電話番号やらの個人情報を登録してアカウントを取得し、そのSNS内で同じくアカウントを取得している友達と、無料でチャットや電話ができるというやつだ。
そんな便利SNSで、個人のアカウントがどこからか漏れて、それを悪用されるというケースが最近おそろしく頻繁に起きている。
今の主流は、アカウントを不正に入手したおそらく業者がその個人になりすまして、その友人達にコンビニでプリペイドカードを買って来いと依頼する手口。
導入は、まず「今忙しい?手伝って欲しいことがあるんだけど」から始まる。
多少の言い回しの違いは有っても、主意は全く一緒なのがポイントだ。
次に来るのが「近くのコンビニで、某プリペイドカードを○○○○円分、○枚買ってくれる?」である。
そしてフィニッシュ、「買ったらその番号を写メして送ってくれる?」だ。
その番号を使って、支払はせずにカードを使ってしまうというこすい所業。
ところが、本人になりすましている割にはあまりにお粗末な日本語を使用してくるので、最近では騙される人も大幅に減った。
そりゃそうである、情報が瞬く間に広まるSNSの世の中で、そういつまでも同じ手口が通用するわけがない。
むしろ、被害を受けた側は、いかに騙しているやつを騙してイライラさせるか、でみんな競っている。
とにかくまあ、今回私のところにもこのなりすまし犯がやってきたわけだ。
色々な武勇伝をいろいろ聞き知っていたので、よし私も振り回してやろう、と思った。
これはもう、相手もおったまげるようなウィットに富んだ切り替えしでばっさばっさと斬り倒してやらねば。
ところがいかんせん、そのなりすまし君がやってきたのが仕事中である。
仕事中の忙しいときに、そんな暇人の相手なんかしていられない。
とりあえず最初の導入部、「手伝って欲しい」のくだりに、「何を」と返すのが精一杯。
するとむこうから、「プリペイドカード」のくだり。
きたきた。
と思ったところで仕事の忙しさがマックス、とても携帯を見ていられる状態ではなくなった。
ようやく仕事が一段落したところで、さて返事をするか、と思ってSNSを開いてみると。
なりすまし君はとっくにチャットルームから退出していた。
あきらめ早いよ、なりすまし君。
もうちょっと根性みせてくれたら、こっちももっともっといい返しをしてあげたのに。
逆になりすまし君に見限られた様で、全く残念な話である。