祖母は健康オタク

私の祖母は健康オタクだった。
ワイドショーで「この食品が高血圧予防になる」「免疫をつけるにはこの食品」などと聞くと、それからしばらくはその食品を使って料理をしていたし、青汁や飲むお酢のストックは必ずあった。

健康器具も大好きで、体に電気を通すための機械、足を乗せて足裏のツボに合わせて電気を流す機械などがあり、もちろんマッサージチェアもあった。
おそらくとても高価なマッサージチェアだったと思う。
とても快適で、気持が良く、私もよく使わせてもらっていた。
昔、ぶらさがるのが健康に良いと言われたことがあったが、その時にはわざわざ大工さんに来てもらい、一室の天井にぶらさがるための棒を設置した。
私が記憶のある時には、それは洗濯物を干すためのものになってしまっていたが。
そのように健康のために気を遣い、お金も使っていた祖母は、80歳を過ぎてもとても若々しく、90歳手前まで長生きした。
そんな祖母のことを思い出す時、私は祖母が作ってくれた煮物のことを思い出す。
やはり健康に良いからと言って購入してきたゴーヤで、祖母はなんと煮物を作ったのだ。
苦いゴーヤを私が食べられず、代わりに一緒に煮てあった人参を食べようとしたが、ゴーヤの苦みが煮汁に溶け出し、その苦みが人参にもよく浸みていた。
とても食べられたものではなかった。
人参の苦さにびっくりし、大量のお茶で流しこんだことをよく覚えている。
そんな私を見て、祖母も苦笑していた。
あの思い出が私にとって、健康オタクの祖母を代表する一番の思い出で、おかしさとともに脳裏に当時の光景が蘇るのである。