私たちは普段当たり前にあるものに対して、それの大切さに気付かない。
それを失って初めて気づくのだと思う。
たとえば、健康。
私たちは普段、何事もなく過ごせていることが当たり前だと思ってしまう。
ちょっとした頭痛やちょっとした腹痛、数日で完治する風邪は別として、入院や手術や投薬治療が必要となってくる病気にかかって初めて今までの健康のありがたみを感じる。
私の両親がそうだった。
2人とも大きな病気をせずに生きてきたが、ここ数年で癌などにかかり、手術もした。
母はこれから一生薬を飲み続けなければならないし、父も定期的に病院で検査を受けねばならない。
このようなことになって初めて、2人は健康のありがたさを感じたという。
私が今一番気がかりなのは夫である。
夫は1日20本以上は吸うヘビースモーカーであり、今のところ禁煙しようという考えもない。
タバコが1箱1000円になったら禁煙するとは言っているが、きっと1000円になってもそれが実行されることはないと思う。
日々何事もなく過ごせていることが当然で、私が「そのうち癌になっちゃうよ」と言ってもまったく聞く耳を持たない。
タバコ以外にも普段から水やお茶を飲まずに炭酸飲料ばかり飲んでいるし、野菜も魚も食べない。
逆に揚げ物が大好きだ。
毎日コンビニでフライドポテトを買ってから帰宅する。
私や義母が何を言っても改善されないので、最近は私も義母も正直諦めつつある。
健康について何も考えていない夫が、それの本当の大切さに気付くのは、実際に入院や手術せねばならない病気になってからなのだろうと思う。