私と兄は6歳年が離れていて、男と女ということもあって幼い頃からあまり関わり合いがなかった。
私も兄も母の影響を受けて芸術や読書が好きだが、私はどちらかと言うと地味で目立たず男友達も少なかったのに対し、兄はファッションなどにも興味があり、女友達も多かった。
兄は古着も着こなし、東京に住んでいた頃は雑誌のストリートスナップにも何度か載ったことがあり、美容師の友人も多く、私はてっきりファッション関係の仕事に就くものだとばかり思っていた。
しかし、兄が天職だと思ったのは意外にもリラクゼーションサロンのスタッフだった。
私と兄には芸術と読書以外あまり共通点がなかったが、なんと好きな仕事が一致したのである。
実は私も学生時代からリラクゼーションサロンで働き、その仕事が楽しくて仕方なかった。
妊娠が判明するまではずっとリラクゼーションサロンで働いていた。
今は娘がおり、保育所の時間の関係もあってその仕事には就けていないが、もう少し娘が大きくなったらまたその仕事に就きたいと思っている。
兄妹そろって同じ仕事が大好きだというのは、なんとも不思議なものである。
私は四年制の大学に通っている際にリラクゼーションサロンの仕事に出会い、そこでバイトを始めたが、高校時代にその道を知っていたならば、きっと資格を取るために大学ではなく専門学校を選んでいたと思う。
同じく、兄も、もっとはやくこの仕事を知っていたら、専門学校に通っていたと言っている。
共通点も少なく、話すこともいっしょに遊びに行くこともあまりなかった兄妹ではあるが、今ではリラクゼーションの仕事という点で、お互い良い刺激を与えることのできる関係である。