大人になりきれなかった私の成人式

高校生の私は成人式を迎えた20歳の人たちはとても大人に感じていた記憶があります。
成人式って本当に特別で、未成年にとってはすごく夢のあるお式です。
自分たちが20歳になると選挙権がもらえ、社会の一員として認めてもらえる…そんな思いがありました。

でも、実際、自分が成人式の日に感じたことは、そう思っていたほど大人になっていないんだということです。
中学生や高校生の頃の20歳はもっと大人だと思っていました。
自分の将来へのビジョンも明確になっていて、この思考ももっと大人になっているものだと。
だから、成人式を迎える前日、嬉しさと共に不安な気持ちが入り混じっていました。
これからは社会の一員としてみなされるわけなのに、自分はちっともそれ相応の人間ではない、そう思う反面、選挙に行って、就職活動もして、家族もこれから作っていく…なんて一人前の様なことも考えたり、心の葛藤がありました。
本当に自分が大人になっていないことに期待を裏切られた感じと、でも自分はそのようなものだと諦める気持ちもあり、式の前日はあまり眠れなかったのを覚えています。
それでも、成人式で同級生の友達と久しぶりに会うと、テンションも上がります。
また、お酒の飲める歳にもほとんどの友達がなっていたので、式の後にお酒を楽しみました。
そこでも、みんなの話に出たのが自分の外見は大人になっても、内面は全く変わっていないと言う事実でした。
自分だけじゃないんだ、という安心感もありましたが、ではいつ大人へのゴールは来るんだろう不安もありました。
今までは成人式が大きな一歩で、そこからまた大人としての世界がスタートすると思っていたのですが、自分の成長はそこまで届かず…。
なんかそう思っているとモヤモヤしましたが、35歳の今でもあの頃と志も中身もほとんど変わっていません。
ただ肌年齢は確実に衰えています。
成人式にあるあの「若さ」という武器、あの時にそれを気付いていれば、それさえあればいいんだと思えたかもしれません。
でも、失ってから気付くことが多いんです。
今では、あのモヤモヤした感情もいいものだったな、と思える私がいます。