ゆとり教育世代

86年生まれの私は、40代前後の方からは「ゆとり世代」だと言われる。
私は「ゆとり教育試行世代」だと思う。
中学に入るときに第2、第4土曜日が休日になった。

しかし学習指導要領が改正される前だったため、内容は同じでただ単に時間が少ない。
そのため、体育祭や合唱コンクールの練習などで授業時間が削られたり、あるいはインフルエンザや食中毒で学級閉鎖になろうもんなら、そのたと授業内容を取り戻すのが大変だった。

私のクラスは閉鎖になることはなかったが、隣のクラスで学級閉鎖になり、ほとぼりが冷めた頃、通常6時間目まで授業だが、7.5時間目まで行われることになった。
3日ほどの学級閉鎖で、他クラスと18時間の差が出てしまったので、それを埋めるために、しばらく7.5時間授業が続いていた。

そのせいで部活動に遅れてしまい、厳しい部は理由に関わらずペナルティが与えられた。
部活が解散したあとに、グラウンドを5周走ってから帰らなくてはいけなかったという。
結果的に、通常18時半に部活生が解散していたが、ペナルティの生徒は19時過ぎていた。

インフルエンザがようやく治ったと思ったら、7.5時間授業の末、部活動ではペナルティのグラウンド爆走。
そして塾に遅れて、自習をして帰宅。
当然寝る時間も遅くなるが、翌日はまた7.5時間授業だ。
このような負の連鎖のために、隣のクラスの生徒はボロボロになった。

私たちが卒業するときに、学習指導要領の改正が施行されたが、それまでの移行期間というか試行期間だった私は全くゆとり教育を体感できなかった。
大人になるにつれて、年齢だけを見て「ゆとり」と一括りにされるが、そのように言ってくる人に、「その法案を掲げた政党や候補者に、あなたも投票したんじゃないですか?」と質問したくなる。